骨盤のゆがみ

骨盤は大きく分けて「腸骨」「仙骨」「仙腸関節」の3つのパーツからなり、靭帯により強固に連結されています。
仙腸関節の可動域は1〜2mm程度あるといわれており、過度な骨盤のゆがみは腰痛や肩こり、頭痛などの原因になる場合があります。

骨盤は横からみるとやや前傾しており、地面と水平になっている状態が理想とされています。
しかし、何らかの原因で骨盤が本来の位置からずれて、前傾や後傾が強くなったり、左右で傾きができたりした状態を「骨盤のゆがみ」と捉えています。
次の項目をチェックして2つ以上当てはまると、骨盤が正しく機能していない(骨盤のゆがみの)可能性があります。

①身体が硬く前屈しても、手が床につかない。
②右足と左足の長さが違う。（ズボンの裾のどちらかが上にあがる、正座をした際に左右のどちらかの膝が前に出ているなど）
③足を組むなど、悪い姿勢で長時間座っていることが多い。
④ゴルフやテニスなど身体をねじるスポーツを定期的にしている。
⑤姿勢が猫背、または反り腰気味である。

骨盤周辺（股関節、腰部、太ももなど）の筋肉が硬くなり、骨格が引っ張られることでゆがみが生じます。
特に普段の不良姿勢や身体の使い方のくせなどが影響します。

・デスクワークで長時間座っている
・足を組んで座る
・片足に体重をかけて立つ
・同じ方向にばかり腰をひねる

などです。
その他、次のような原因で骨盤がゆがむ場合もあります。

・加齢や運動不足で骨盤を支える筋力（腸腰筋）が低下し、骨盤が傾く
・妊娠・出産期に分泌されるホルモンの影響で骨盤周辺の靭帯がゆるみ、骨盤が開いた状態になる

などが挙げられます。

背骨は、横からみるとS字の曲線を描くことで、上半身にかかる負担をうまく分散しています。
しかし、土台となる骨盤がゆがむと背骨のバランスも崩れてしまい、肩や腰まわりの筋肉への負担が増加します。
筋肉の緊張が強まり、血行が悪化することで、肩こりや腰痛といった症状につながる場合があります。

骨盤に大腿骨（太ももの骨）の先端部分がはまり込むことで、股関節が形成されています。
そのため、骨盤のゆがみは股関節を介して下半身に偏った負担をかけてしまい、股関節や膝、足首の痛みの原因となる場合があります。

背骨のゆがみから頭部の重みをバランスよく支えられなくなるため、首の筋肉がこわばりやすくなります。
硬くなった筋肉で頭部へと走る神経や血管が圧迫されて、頭痛を引き起こす方がいらっしゃいます。

背骨のゆがみによって、周辺を走行している自律神経にも影響を及ぼす場合があります。
自律神経の乱れから、めまいや吐き気、不眠、疲労感、イライラといった症状につながる可能性があります。

カウンセリングによってゆがみの状態を正確に把握し、患者様にあわせた施術を行います。
当院では、骨盤の調整に特化した施術「骨盤矯正」をご用意しています。

 

骨盤矯正

基本的に全身のバランスを整えてから、脊柱や骨盤といった骨格にアプローチしていきます。
個々にあったツボに刺激を与えるようにアプローチすることで、ゆがみを正していきます。
あわせて内蔵器官の働きも回復させながら、身体を調整していくことが特徴です。

 

股関節や腰の可動域の確認

骨盤は大腿骨（だいたいこつ：太ももの骨）や背骨と繋がっています。
全身を調整しながらインナーマッスルに働きかけ、足や腰まわりを回す・曲げるといった動きを加えることで、股関節や腰の可動域の確認を行います。

 

骨盤のゆがみを調整する

手によって骨盤周囲を圧迫し、押し引きなどの手技を加えて、骨盤のゆがみの調整を行います。

 

腰、股関節、下肢を中心にほぐす

骨盤がゆがんでいると、骨盤につながる身体の各部位にもゆがみを生じる場合があります。
そのため、骨盤につながっている腰や股関節の緊張を解消するため、ほぐしの手技を中心としたアプローチを行います。

また施術後は、日常生活での姿勢や留意点などのアドバイスも行っております。

 

O脚矯正・X脚矯正

股関節から太もも、膝下、足関節と下半身全体を施術していきます。
足の長さが左右で揃うことで身体全体のゆがみが解消され、正しい姿勢で歩けるようになります。
また、外反母趾や巻き爪などの指の関節や爪に生じるトラブルや、足のむくみや冷えの改善効果が期待できます。

 

ボディケア

手技療法によって筋肉・筋膜の緊張をゆるめ、身体のバランスを整えていきます。
痛みやこりなどがある箇所に限らず、全身の緊張をほぐしていくことが特徴です。
筋肉をもみほぐすことにより、硬くなっていた筋肉の緊張がやわらぎ、筋収縮力や関節可動域の回復や老廃物の排出が期待できます。

一度の施術でも「姿勢がよくなった」「腰や肩まわりが楽になった」と効果を実感していただけると思います。
しかし、ゆがんだ状態が身体に馴染んでしまっているため、最初はどうしても元に戻りやすくなっています。
また、骨盤を支える筋力をつける必要もありますので、最低2〜3ヶ月は施術を続けていただくことが望ましいです。

上記の期間はあくまでも目安になります。
年齢や生活習慣で個人差があるため、身体のゆがみが気になる方は、まずは整骨院で骨盤の状態を確認してもらいましょう。

膝倒し

仰向けに寝て、両膝を立てます。
上半身は動かさず、膝を揃えたまま左右交互に倒します。

 

足首の曲げ伸ばし

足を伸ばした状態で、仰向けに寝ます。
そこから「右足首を上にあげる・左足首を下に伸ばす」「右足首を下に伸ばす・左足首を上にあげる」を交互に繰り返します。
骨盤前方にある骨の出っ張り（上前腸骨棘）が動くことを手で確認しながら、足首を動かしていきましょう。

膝倒しや足首の曲げ伸ばしは、10回3セットを目安に繰り返してください。

股関節を広げるストレッチ

両方の足裏を合わせて、股関節を広げた状態で座ります。
両手でつま先を把持し、背中を伸ばしたまま上半身を前に倒していきます。

 

お尻のストレッチ

床に座り、片方の膝を立てます。
立てた膝の上に反対側の足首を乗せて、上半身を前に倒していきます。

ストレッチはしっかり呼吸をしながら、20秒3セットほど行ってください。

立位、座位にかかわらず、下腹部に意識を置いて骨盤を立てるようにしてください。
頭頂部が天井から吊るされているイメージを持つと、正しい姿勢を維持しやすくなります。
また、骨盤のゆがみにつながるため、次のポイントにも気をつけておきましょう。

・足を組まない
・立つときは両足にバランスよく体重をかける
・背もたれに寄りかからない
・カバンはリュックサックにする

などです。

骨盤周辺のインナーマッスル（腸腰筋）を鍛えておくことで、ゆがみの防止が期待できます。

・椅子に座り、座面のふちを手でつかみ身体を支えます
・胸を張り、上体を軽く前に倒します
・上記の姿勢のまま、右の太ももを軽く上げます
・5秒ほど太ももを上げた状態をキープしたら、足を一度おろします
・10回繰り返したら、反対側も同様に行います

また、普段の歩行を骨盤から足を動かすようにイメージすると、骨盤周辺の筋力を鍛えられます。